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尊厳死宣言書を作るには?

2012/05/10 16:42

 

こんにちは。
 
行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
 今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

前回はエンディングノートの役割について考えていきました。今日は人生の最期の時の意思表示「尊厳死宣言書」についてみていきたいと思います。

 

「尊厳死宣言書(そんげんしせんげんしょ)」とは「自分で意思表示することが難しくなったとき、どのような判断をして欲しいか、延命治療についてどう希望するか」などを書き込むんだ文書のことを言います。例えば、今後回復が見込まれない状態において、人工呼吸器や胃ろうなどによる栄養の注入を希望するかなど、自分の意思を表示します。「Living Will(リビング・ウィル)」とも呼ばれています。

 

「尊厳死」という言葉は、今少しづつ広がってきています。最近では、尊厳死について法制化する動きもあり、今後ますます注目されてくるでしょう。尊厳死という言葉を使わずに「尊厳生(そんげんせい)」と表現する方もいらっしゃいますが、人生の終わり方を考えるということは「どう生きるか」を考えることと表裏一体なのです。

 

自分が意思表示できなくなった際に、自分の最期について希望を伝えるための手段が「尊厳死宣言書」です。この文書に法的な効力はありませんが、本人の意思を知るための手がかりとしては、重要なものです。

 

尊厳死の希望を伝える方法としては、複数の選択肢があります。まず一つめは、日本尊厳死協会に加入して、協会指定の文書を作成する方法です。

 

日本尊厳死協会ホームページ  

 

また、公証役場において「尊厳死公正証書」を作成する方法もあります。公証人の面前で自分の終末期の希望を表明して、文書にします。自分の意思であることを、第三者である公証人に確認してもらうことで、客観性を持たせることができるものです。

 

日本公証人連合会ホームページ  

 

さらには、病院ごとの対応となりますが、事前に延命治療などの希望について事前に確認して病院独自の形式で文書を作る取り組みも始まっています。

 

今までは、人生の終わり方について、家族や周りの人が決めた道を進むという方が大半でした。しかし、人生観や自分の親の最期を見て、自分はどのような最期を迎えたいかという明確な意思を持つ方も増えてきています。

 

また、家族のカタチも多様化してきているため、自分の意思を書面化して残しておく方も増えています。例えば、婚姻届を出していない事実婚のカップルの方の場合、戸籍を入れていないということだけで、医療同意の親族と認められないのではないかと、事前に文書を作って備えることも、有益でしょう。

 

先ほど、お伝えしたように上記の尊厳死宣言書には法的な拘束力はありません。そのため、文書を作ったとしても、すべての場合で、書いた内容が実現するとは限らないのです。緊急医療で運ばれた医療機関での判断や、医師の判断、家族の判断など様々な要因によって、ご本人の書いた希望とは異なる処置が行われることもあります。

 

それでもなお、この尊厳死宣言書が注目されていることは、自分の人生の終わり方について考えるきっかけになるからではないかと思います。自分の家族や大切な人に、自分の意思を伝えること。残される人に、終末期の判断をゆだねて負担をかけないようにしたいと思う気持ちなどが、根底にあるように感じています。

 

尊厳死宣言書も、遺言と同様、気持ちの変化によって作りかえることができ、最新の本人の意思が反映されるようにすべき書面です。死を考え向き合うことは勇気のいることですが、自分のためにも大切な人のためにも、ぜひ心にとめて考えていただきたいと思っています。

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
 

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エンディングノートの役割とは?

2012/04/10 10:22

 

こんにちは。

行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

皆さんは「エンディングノート」をご存じでしょうか?「エンディング」という言葉にドキッとしますが、これは自分情報や希望を一冊のノートにまとめておくためのノートです。
最近では書店でも、色々な種類のエンディングノートを見かけるようになりました。また「自分ノート」「もしものときノート」など名前も様々です。

 

エンディングノートは、自分が認知症になってしっかりとした意思表示ができなくなってしまった場合や、亡くなった後に家族に自分の希望を伝える手段として、注目されています。

 

記載する項目としては、自分に関する事柄(住所・氏名や家族構成など)、医療に関する事柄(かかりつけ医、既往歴、薬の情報、アレルギーの有無、延命治療の希望など)、介護に関する事柄(介護に関する希望、どこで生活したいか、認知症になったときのことなど)、財産に関する事柄(資産の洗い出し、保険や年金に関することなど)が挙げられます。

 

今の自分の情報、例えば銀行・保険・公共料金の支払いなどの情報、もしもの時に連絡して欲しい人のリスト、パソコンのログインに必要な情報、病気になったときの希望、介護が必要になったときの希望、葬儀やお墓はどうして欲しいかなど、日常生活に関する事柄から、自分が意思表示できなくなったときのための情報まで、1冊のノートにまとめていきます。

 

エンディングノートには、法的な拘束力がありません。例えば、エンディングノートに、「全財産を友人Aに相続させる」と書いたとしても、遺言書がなければ、Aさんに財産を渡すことは出来ないのです。そのため、エンディングノートは、自分の覚え書き・希望を伝える1つの補助的な手段としての位置づけといえます。

 

これは、医療や介護に関する希望についても同じで、エンディングノートに自分の意思を書き出したとしても、その希望通りにしなければならないという効果はありません。それでも今、エンディングノートが注目されているのは何故なのでしょうか?

 

私は、エンディングノートは自分の「気付き」のために重要な役割を果たすものであり、老い支度の出発点だと考えています。自分の今を書き出すことは、今の自分を見つめ直すことに繋がります。遺言はまだ早いけれど、自分に関する情報をまとめておきたいという方や、自分に何が必要か、何を不安に感じているのかが漠然としている方が、自分と向き合う時間を持つことができるのです。この意味では、エンディングノートは大きな役割を持っていると思います。

 

また、死後や終末期に役立つだけでなく、急病で倒れたときや、認知症で自分の意思表示が難しくなったときにも、自分の希望をの書き記しておくことが、大きな助けになります。


ポイントは「心の中で思っているだけでなく、第三者にもわかるカタチで残すこと」です。


最初から完璧を目指すのではなく、少しずつ書き加えていけばいいのです。
エンディングノートをスタートラインにして、老い支度をはじめてみませんか?


今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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老後を考える基礎

2012/02/28 13:21

 

こんにちは。

行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

先日「現時点での財産の洗い出しを」という記事で、現状確認の重要性をお伝えしました。せっかく遺言書を書くのであれば、きっちりと意思を伝えられる内容にしていただきたいからです。

 

自分のこれから、親のこれからを考えるにあたって、生活という面ではお金の問題は避けて通る事が出来ません。財産の洗い出しは、遺言書を書くためだけでなく、自分がどのような場所でどう過ごしていくかを考えるときの基礎となります。

 

例えば、介護が必要になったとき、どこで生活を送るのかを考えるとしましょう。この事柄を考えるとき、一番重要なのが「ご本人(自分自身)の気持ち」です。自宅でヘルパーさんや家族の支えを得て、生活を送りたいのか。それとも、24時間の見守りがある老人ホームや高齢者住宅に移りたいと考えているのか。その他、どのような希望を持っているのかを確認します。

 

次に「ご本人の希望を、実現できるか」を考えることになります。家の形状が介護生活にも対応できるのか。家での生活を支える支援体制をどうやって作っていくのか。ご本人の気持ちを踏まえて、家族や周りの人との話し合いを行います。また、施設や老人ホームに移住を考えるのであれば、住まいに求めることは何か、場所はどこがいいか・・・など具体的な希望を確認していきます。

 

そして、家や老人ホームでの生活を送るにあたって「金銭面で実現可能か」という視点も忘れてはなりません。

 

最近、ビジネス雑誌などでも介護の特集が組まれるようになり、そこでは「介護とお金」のテーマが取り上げられています。自分が、医療ケアの充実した有料老人ホームに住みたいと思っていても、実際に自分の貯蓄や収入でそれが可能かは、冷静に考えなくてはなりません。

 

入居一時金はどのくらいか、また月々に掛かる費用についても、試算が必要になります。在宅での生活を希望する場合にも、月々の生活費や医療費、介護に掛かる費用などを調べて予測することが大切です。

 

このブログをお読みの方の中には、自分の老後のことを考えて読んでくださっている方も、親御さんのこれからを考えて読んで下さっている方もいらっしゃると思います。みなさんは、ご自身のお金の流れを把握されていらっしゃるでしょうか?

 

お一人ごとに、貯蓄の金額も、収入の有無や金額も異なります。まずは、月々の定期的な収入を確認してみてください。年金の金額、家賃収入、仕事でもらう給与・・・などなど、金額の予測がつきやすいものを書き出して見てください。その他、相続による財産取得など臨時的な収入も考えられますが、そのような臨時収入はないものと考えて、計画を見ていだたきたいと思います。

 

そして、月々必ずかかる費用についても書き出してみましょう。保険料、家賃、水道光熱費、交際費、医療費などです。これによって、今の生活にかかっている毎月の金額が明らかになってきます。

 

お金のことは、人と話すことも少ない話題ですよね。それ故、どうにかなるさ・・・と考えてしまいがちです。親子でも、お金に関する話をすることは、勇気のいることかもしれません。

 

しかし、今後の生活を考えるためには、礎となるものです。こうしたいと思っていたけれど、実際には実現できないものだった・・・というのは残念です。ご自身のことを把握して、自分がどんな選択をしていけるのかを考えていっていただきたいと思います。

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
 
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書面に残す意味

2012/01/13 16:30

 

こんにちは。行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

2012年がスタートしましたね。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 
新年第一回目の今日は、老い支度において書面を残す意味について考えます。

 

私は老い支度について講演活動を行っています。セミナーでお話しした後、受講された方から「私には家族がいるのだけれど、書類を作る必要はありますか?」と質問を受けることがあります。遺言書、尊厳死宣言書、任意後見契約書など老い支度には書面のお話しがたくさん出てきて、なんだか堅苦しく感じられるのでしょう。

 

私たちは日常生活の中で、買い物やレンタルなど様々な法律行為を行っていますが、改めて書面に内容を書いて確認するということは少ないですよね。では、なぜ老い支度の場面では「書面」が重要になるのでしょうか。

 

それは老い支度が、自分で意思表示ができない場合に備えたものだからです。「認知症になって自分の意思表示が出来なくなった場合」や「終末期を目の前にして意思表示が出来なくなった場合」「死後に自分の意思を誰かに伝える場合」に、自分に代わって「本人の意思はこうだったのだ」ということを示すためには、書面で残すことが不可欠になります。

 

日常の場面においても、口約束をめぐって「言った、言わない」の状況になることがあります。証拠となるものがないと、事実はどうだったのかわからず、感情的な争いになってしまいますよね。

 

老い支度の場面では、ご本人が意思表示を出来ない状況のことが多いため、本人の意思が示された書面が存在しないと、周りの人の推測での話し合いになってしまいます。「本人は元気なときに、Aと言っていた」「いや、私にはBと言っていた」・・・と言った具合です。財産の管理や医療行為、生活の場所など、本人の人生にとって極めて重要な事柄について、指針を失うことは、ご本人にとってもご家族や周りの方にとっても残念なことです。

 

愛する人への個人的なメッセージを、口頭で伝えることはステキなことです。しかし、大きな責任を伴う事柄・判断については、自分の意思を第三者にわかるように「書面」で残すことが必要といえます。

 

今、介護や医療において「自己決定」が尊重されています。それは、裏がして言えば「自分の意思をしっかりと表示しておく責任がある」ということでもあるのです。

 

医療の場面で、回復が困難な状況になったとき、延命に繋がる人工呼吸器や緊急時の心肺蘇生などを行うか。介護において、本人がどこで生活をおくるか。本人らしく生きるために必要な財産管理を誰が担当するか。

 

「書面」と聞くと、なんだか難しそうで他人事のように感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが『元気なときに作る書面は、皆さんの代弁者』なのです。このことを心に刻んで、今年も老い支度に取り組んでいただきたいと思っています。

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
 
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最悪のことも考えて遺言を作る

2011/12/12 23:46

 

こんにちは。行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

本日は、遺言作成に携わる中で感じていることについて、お伝えしたいと思います。

 

遺言書を書くにあたっては、ご依頼いただいた方についてやご家族のことなど、様々なお話しをうかがいます。自分が亡くなった後、その財産を誰に、どのように遺したいかを考えるには、今の状況を一度見つめなおすことが必要だからです。

 

誰に、どの財産を残すか。今の財産を洗い出し、法定の相続人は誰でどんな割合の相続分になるのかを確定していきます。そして、今まで支えてくれた配偶者や、お子さんのことを考えて分け方を決め、遺言書の作成は進んでいきます。

 

今では、自分で書く「自筆証書遺言」に関するキットや解説本も増え、自分お一人で遺言書を書く方も増えてきました。自筆証書遺言については、以前の記事で、相続が生じた後に「検認」という手続が必要なため、相続手続を行うまでに時間と手間がかかるデメリットをお伝えしました。

覚えていらっしゃいますでしょうか?

 

自筆証書遺言には、それ以外に「最悪のことを考えずに遺言書を書いてしまう」という落とし穴があります。ここでいう「最悪のこと」とは、年齢の順に亡くなるのではなく、その順番が入れ替わってしまう事態です。

 

例えば、旦那様が奥様に全財産を相続させる旨の遺言を書いたとします。これによって、自分亡き後の奥様の生活を守ってあげられると、安心されますよね。

 

しかし、私たちが生きていく中で、亡くなる順番というのはわかりません。歳の順に亡くなるのが普通、親が子よりも先になくなるのは当然のこと・・・と考えてしまいがちですが、実際には、突然の病気や事故によって、相続の順番が入れ替わってしまうことがあるのです。

 

先の例では、全財産を相続させると書いた奥様が、旦那様よりも先に亡くなってしまうケースもあるでしょう。その場合には、旦那様が書いた遺言は、財産を譲り渡す対象の方が不在のため、残念ながら旦那様の想いは実現されません。

 

このような場合に備えて、遺言書に定めることが出来るのが「予備的遺言」というものです。予備的遺言は、相続させると定めた人や受遺者が、遺言を書いた方より先に亡くなってしまった場合に備え、次の相続人などをあらかじめ指定しておくものです。

 

具体的には、以下のように記載します。

 

第1条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を遺言者の妻Aに相続させる。

 

第2条 遺言者は、遺言者の死亡と同時に、又は遺言者より先に妻Aが死亡した場合は、遺言者の有する一切の財産を遺言者の長男Bに相続させる。

 

夫婦の相手に相続を考えている方の場合、夫婦での年齢差が少ないことが多いため、相続の発生の順番が入れ替わる可能性があります。また、お子さんに相続をさせようと考えている場合にも、万が一のことを考えて、その遺言が「財産の承継をする人がいないこと」によって、無意味にならないように考えることが必要です。

 

仕事において私は、遺言書作成の骨格がまとまった後に、この「予備的遺言」のお話しをお伝えしています。この「万が一の場合、最悪の場合」を考えることは、気持ち的に辛い過程だと痛感しています。

 

自分の夫が先に亡くなる、妻が先に亡くなる、もし自分の子が先に亡くなったら・・・そんなことを、日常考えることはありませんよね。その辛さも、受け止めながら、せっかく作成する遺言が最大限、有効なものとなるようにするようアドバイスをすることも、プロとして遺言書に関わる者の大切な使命だと思っています。

 

お子さんのいらっしゃらないご夫婦の場合、相互に「全財産を夫に相続させる」「全財産を妻に相続させる」と遺言を書かれている方もいらっしゃいますが、そこから一歩進めて、万が一のことを考えていただきたと思います。

 

もし配偶者が先に亡くなった場合、財産を誰に遺したいのか。お世話になった医療機関や福祉系の団体に寄附したいのか。甥や姪に渡したいのか。ちょっと先を考えて見て下さい。財産を譲り渡す相手が、存在しないという事態を防ぐことができるように、考える必要があるのです。


遺言書は、いつでも書き直すことができます。それならば、もし万が一の事態が起きてしまった場合、その後に遺言書を作り直せばいいだろうと、お考えの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、年齢を重ねて認知力の低下が見られたり、突然の病気で意思表示が難しくなってしなった場合には、新たな遺言を作ることが困難になります。

 

遺言書を書こうと考えられている方は、ぜひ様々な場合を想定して、遺言書の内容を決めていただきたいと思います。

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。


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まずは行動してみること!

2011/11/07 13:37

 

こんにちは。行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。

今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

私は個別のご相談やサポートの他に、講演活動にも力を入れています。それは、一度に多くの方に老い支度の大切さをお伝えできる貴重な場だからです。最近では、市区町村主催の講座にもお声かけいただくようになりました。

 

講演の中で、私は「知識を知ってよかったと終わらすのではなく、一つでもいいので行動に移してください!」とお願いしています。セミナーなどにお申込になり、参加される方は、自分の老い支度について真剣に考え、関心を持っていらっしゃる方です。真面目に取り組もうとする姿勢には、私自身学ぶことがたくさんあります。

 

しかし、真面目に取り組む方だからこそ「やるのであれば完璧にしないといけない」と思ってしまうことがあるのです。例えば、エンディングノートを書こうとノートを購入してきたけれど、最初のページから空欄を作らないように書き込んでいって、行き詰まってしまった。遺言を作りたいけれど、自分が歳を重ねて状況が変わるかもしれないから、今は書き出せない・・・などです。

 

私は、セミナーで「最初から完璧を目指すのでなく、今の自分が関心のあること、気になることから、一つでも書き出していってください」とお伝えします。ひとつの事に取り組み始めると「自分はこの事が気がかりだったんだな」とか「もっとこうしたいけれど、どうしたらいいのだろう」と、これからすべきことや不安が具体化してきます。

 

遺言書や老い支度の本をたくさん読んでいるけれど、なかなか行動にうつせないという方はいらっしゃいませんか?そんな方には、小さなことでもいいので、まずは一つ行動に移していただきたいと思います。

 

それは、例えば自分の現在の財産を棚卸ししてみることでもいいですし、大切な人へどんなメッセージを残したいかを書き出してみることや、自分が入院したり、大変な状態になったときに呼んでほしい人のリスト作りでもいいのです。

 

何冊の本を読み、情報を集めることよりも、まずは一歩を踏み出して行動すること。
このことを、皆さんにも実行していただけたらと思います。

 

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検認で行われること

2011/10/08 10:15

 

こんにちは。

行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 
前回は、自筆証書遺言の場合になぜ検認が必要かについてお伝えしました。今日は、検認の場で実際にどんなことが行われるかをお伝えしたいと思います。

 

自筆証書遺言を見つけた人、預かっていた人が検認の申立を家庭裁判所にすると、相続人全員に対して、検認の日時のお知らせと、出欠を問う書類が郵送されます。検認は、相続人すべてが揃わなくても実行されますが「被相続人○○さんの自筆証書遺言について、検認という手続が○月○日に行われること」を伝えることで、遺言書の存在を伝える役割も担っているのです。出欠について、各相続人が通知することになります。

 

検認当日は、決められた時間に指定の家庭裁判所に行きます。検認は、裁判官と書記官などの補助をする人が同席し、スタートします。

 

まず「○○さんの自筆証書遺言について、検認の申立があったこと、今から検認作業を行うこと」が裁判官から告げられます。そして、自筆証書遺言が封をされている場合には、開封を行います。その後に、開封された自筆証書遺言を裁判官が読み上げ、出席している相続人にその内容を伝えます。次に、自筆証書遺言の実物を回して、一人づつに内容を確認してもらいます。


筆跡は被相続人本人のものに間違いないかなど、質問を受け、相続人は答えていきます。筆跡や内容について、不明な場合には「わかりません」と答えても構いません。

 

そして、出席した相続人すべてが確認すると、検認手続は終了です。裁判官が「これにて検認手続は終了しました」と告げて、手続が終わります。

 

検認にかかる時間自体は30分~1時間弱と比較的短いです。しかし、検認の申立から実際の日時が決まり、各相続人に通知され、実際に検認が行われるまで1~2ヶ月かかることもあります。

 

検認の後には、自筆証書遺言に「検認済証明書」が添付され、遺言書と一体化されます。検認済証明書の申請には、遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要となります。この検認済証明書がないと、遺言書の執行ができないのです。つまり、検認を経ていない自筆証書遺言の場合には、その遺言書を銀行に持って行っても口座の凍結を解消することはできませんし、名義変更なども出来ません。検認は遺言書の有効・無効を判断する手続ではなく、現在の状況を確認しておく手続です。
 

自筆証書遺言に関しては、この検認手続を経ることが、スタートラインとなります。相続発生後、すぐに口座の名義変更や不動産の権利移転をしたい場合には、時間的にも手続的にもハードルとなることがあるのです。

 

自筆証書遺言も公正証書遺言も遺言としての効力は同じです。どちらが優れているなどということはありません。ですから、まずは自筆証書遺言を作るということも選択肢の一つと言えます。しかし、自筆証書遺言を書く場合には、相続発生後に検認という手続が必要になり、すぐに相続の手続を行うことができないということは、頭に置いておいていただきたいと思っています。

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
 
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「検認」はなぜ必要なの?

2011/09/02 14:42

 

こんにちは。

行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

前回は、相続発生後に行う遺産分割協議の実際と、遺言での備えの違いについてお伝えしました。自分が元気なうちに、亡くなった後のことを考えて準備することは、腰が重いかもしれません。しかし、実際に自分が突然の病気になったり、事故や災害にあって大変な状況に置かれたときに「もっと前に準備しておけばよかった・・・」と思われる方も多いのです。思い立ったときが吉日。ぜひ一歩を踏み出していただきたいと思っています。

 

さて、今日は遺言の種類を説明する際に大きな違いの一つとして取り上げられる「検認(けんにん)」という手続についてみていきたいと思います。自筆証書遺言を作った場合「検認」という作業が必要になります。

 

私たちが自筆証書遺言を書いた場合、まず最初に考えるのが保管場所です。遺言書が効力を発生するのは自分が亡くなった後のことです。それまでは相続人にも誰にも内容を知られたくないと思うかもしれません。その場合、自宅の重要書類を保管している場所にしまう、貸金庫など外部の安全な場所に保管する、信頼できる人に預ける・・・等といった方法が考えられます。ポイントは、自分が亡くなった時に、確実にその遺言書の存在がみんなに伝わるということです。せっかく遺言を作っても、それが相続する人の手元に届かなければ、意味がありません。

 

遺言書の存在がわかってから必要となる手続が、「検認」です。もし皆さんのご家族が亡くなった後、その方の自筆証書遺言を見つけたとき、皆さんはどのような行動をとられるでしょうか?封のしてある遺言書が目の前にある。「どんな内容が書かれているのだろう。早く確認しなければ」そう思って、つい封を開けてしまう方もいるはずです。

 

この点について、民法では「遺言者の死亡を知った後に、遺言書の保管者や遺言書を見つけた相続人は、速やかにその遺言書を家庭裁判所へ提出し遺言書の検認を請求する手続きをしなければならない」と定めています。また「封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない」のです。遺言書を見つけたからといって、すぐに封をあけてしまうことのないように、気を付けましょう。

遺言書を保管していた人、発見した人は「遺言者(被相続人)の最後の住所地の家庭裁判所」に申立をしなければなりません。

 

そして、この申立には「遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本」や「相続人全員の戸籍謄本」などの資料が必要になります。相続人が誰であるかを確認するために、詳細な資料が必要となるからです。申立が受理された後、相続人全員に対して検認を行う日の通知が発想されます。

 

検認は、想像以上に手間と日時のかかる手続といえるでしょう。それならば、検認などしないで、遺産の名義変更などをしてしまえばいいのでは?とお考えになる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、残念ながら検認を経ていない自筆証書遺言では、銀行の口座の名義変更や不動産の権利を移転する登記などの手続を受け付けてもらえません。自筆証書遺言は、遺言者が本人だけで作れるものです。そのため、銀行や登記所に持ってきた遺言書が本当に遺言者によって書かれたものか、判断できないからです。

 

検認という手続は、相続人に対して遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状や訂正の有無、また日付や署名などについて、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。簡単にいうと「遺言書の現在の状況を確認しておく手続」といえます。証拠保全の手続なのです。検認においては、遺言の有効・無効を判断することはありません。

 

通常、遺言書を発見して家庭裁判所に検認の申立をしてから、期日の通知がなされ、実際に検認が行われるまでには1ヶ月~2ヶ月ほどの日数がかかります。申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは、各人の判断に任されているため、相続人全員がそろわなくても検認手続は行われます。

 

先ほどお伝えしたように、この検認が終わるまでの期間は、相続財産を動かすことができません。預金講座も凍結されて、残された遺族の方の生活が困ってしまうというケースもあります。せっかく遺言書を作ったとしても、死亡後に時間をかけずスムーズに相続手続を行うことができない。これが、自筆証書遺言のデメリットなのです。この点、公正証書遺言の場合には「検認」の手続は不要で、迅速に相続の名義変更などを行うことができるます。

 

次回は「実際に検認の場所では、どんなことが行われるのか」ということについて、より具体的にご説明したいと思います。

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
 
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今備えるか、後で手間がかかるかの違いです

2011/08/20 15:20

 

こんにちは。

行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

前回は、法定相続分について理解を深めていただきました。遺言を作らなかった場合に、誰にどの割合で相続されるかは、おわかりいただけたでしょうか? 人が亡くなって、遺言書が無かった場合、理論的には法定相続人に法定相続分で財産が受け継がれることになります・・・とお伝えすると「自分は遺言書を書かなくてもいい」と考える方もいらっしゃるはずです。

 

 

今日は、実際に相続が発生した場合に、遺言の有無でどのような違いが生じるかを見ていきたいと思います。

 

人が亡くなり、葬儀などが落ち着くと、相続について考えるようになります。皆さんは「亡くなった後は、その人名義の銀行口座が凍結されてしまい、必要なお金が引き出せなくなる」とお聞きになったことはありませんか?私たちの生活にとって、お金は常に必要なもの。それは亡くなった後もそうですし、遺された家族の生活にも必要となります。

 

先ほど「遺言書が無かった場合、法定相続人に法定相続割合で財産が受け継がれる」と書きました。しかし、その場合にも銀行預金の名義書換や不動産の権利移転など必要な手続をするために「遺産分割協議書」という書面を作る必要があります。

 

遺産分割協議書というのは、「この財産を○○に相続させる。この財産を××に相続させる」というように、亡くなった方(被相続人)の財産についてどのように分けるかを書面にまとめたものです。その内容について、法定相続人全員が同意をして、署名捺印をし、全員の了解した内容の文書だということを記す必要があります。

 

この遺産分割協議書の作成が、大きな課題となるのです。このブログをお読みの方の中にも「相続が大変だった、相続でもめた」という話を聞いたことがあるかもしれません。その大半が、遺産分割協議書の作成過程で、相続人(財産を受け継ぐ人)が持分をめぐって言い争いになるケースです。

 

一般に仲の良い家族といえども、親子関係や兄弟関係では様々な思いやすれ違いがあります。扱いの違いに対する不満、負担の大きさの主張など、たくさんの感情が渦巻いています。家庭の数だけトラブルの種があるといっても過言ではありません。

 

人が生きていく中で培ってきた人間関係。それまでは、被相続人が元気だから何とか我慢しようと、心にしまっていた感情や怒りが、相続というタイミングで一挙に飛び出してくることも多いのです。

 

自分は親と同居していたし、面倒をずっとみていた。お前は結婚するとき、家を新築するに、親から援助を受けただろう。介護の大変さを全部負担したんだ。親の財産を勝手に使っていたのではないか。亡くなる前に、全財産を自分にくれると言っていた。などなどなど・・・。それに加えて、相続人の配偶者(お嫁さんや旦那さん)など相続人以外の人も主張してくるなど、トラブルの種は尽きることがありません。

 

その感情の渦の中では、話し合いがすぐにまとまるでしょうか?

 

相続人だけの話し合いでは、感情論になってしまい、法的に有効な遺産分割協議書の作成が難しいというご家庭も多いのが現実です。そのような場合には、話し合いに専門家を入れて、どのように財産を分けるかの話しを詰め、具体化していくことになります。

 

私も行政書士として遺産分割協議書の作成に立ち会っていますが、法定相続人全員が納得できる内容を整えることは、本当に難しい作業だと感じています。まず始めに、被相続人の財産の洗い出しを行い、その財産を誰がどの割合で受け継ぐか、調整に調整を重ねて歩み寄っていきます。そして、最終的に皆が合意した内容で、遺産分割協議書を完成させます。

 

遺産分割協議書作成の過程に、法律の専門家の関与をお願いした場合、費用がかかります。相続人全員で話し合いをするために、時間も必要となります。それだけでなく、もし有効に遺産分割協議が行えたとしても、相続人間で感情のすれ違いやわだかまりが後々まで残ることもあるのです。お金も手間もかかるのです。

 

 

 

ここで、最初にお伝えしたことを思い出してみてください。「自分は、法定相続人に法定相続の割合で相続させることで納得しているから、遺言書を作る必要はない」これは理論的には、正しいのです。しかし実際には、被相続人が亡くなった後で、相続人がお金と手間をかけて、相続財産について話し合う必要に迫られます。争いの種を、遺された人に残してしまうかもしれません。

 

今日のブログのタイトル「備えるか後で手間がかかるかの違いです」は、元気なうちに遺言書を作り備えることと、亡くなった後に遺産分割協議で大変な思いをすることの違いを示しています。

 

遺言書は、生きているうちに財産の洗い出しを行い、自分の将来を考え家族や大切な人のことを考えて自分の財産を誰にどのように分けたらよいかを「自分の意思」で決めて文書にしたものです。遺言書作成の過程でも、行政書士などの法的な専門家を依頼してお金を支払う方もいますし、公正証書遺言にする場合には公証手数料がかかります。そして法的に有効で自分の意思を反映した遺言書を作るためには色々と考える手間も生じます。

 

しかし、遺言書を作ることなく亡くなった場合には、遺された人にその課題を引き渡すことになるのです。自分の財産を有効に相続させるためには、元気なうちに遺言書を作成して備えるか、遺された人に遺産分割の課題をクリアしてもらうかの、どちらかが必須となります。

 

私は仕事で遺言書のご相談をいただくと「お金や手間は掛かりますが、今自分でしっかり考えて遺言書を作ることによって、遺された人への負担を軽くすることができます」とお伝えしています。

 

「自分が死んでしまったらもうわからないのだから、家族に託せばいいんだ」そう考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、胸に手を当てて考えてみてください。自分の最期が近づいたときに、財産をめぐり家族が争いを始める光景を。そして亡くなった後に、自分の財産の話し合いで対立し言い争う家族や大切な人の姿を。

 

「今備えるか、後で手間がかかるかの違い」この違いは、本当に大きなものだと感じています。

 

 

今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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アメブロも書いています。是非お読み下さい。

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相続分を具体的に考えてみましょう

2011/07/13 15:00

 

こんにちは。

行政書士・社会福祉士のアドボケア竹本美恵子です。
今日もイザブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 
前回は、自分の相続人は誰かを知っていただくために、法定相続人の決まりについてお伝えしました。皆さんは、ご自分の法定相続人をご確認してくださったでしょうか?今日は、一歩進んで、法律で定められた相続の割合と、相続する人を知ることの意味を一緒に考えていきたいと思っています。

 

前回のおさらいとなりますが、まずは法律によって定められた相続人「法定相続人」のルールを再度確認しておきましょう。
 


【法定相続人のルール】
・配偶者がいれば、常に相続人となる
・第1順位の法定相続人は、子ども(養子も含みます)
・第2順位の法定相続人は、直系尊属(父・母、父母がいない場合には祖父母)
・第3順位の法定相続人は、兄弟姉妹

 

 

法定相続人は、上記の順番で決まっていきます。そして、法定相続人ごとに、相続の割合が定められています。この相続の割合を「法定相続分」とよびます。

 

 

【法定相続分のルール】
(1)相続人が配偶者のみの場合、配偶者がすべてを相続する。

 

(2)相続人が、配偶者と子(第1順位の法定相続人)の場合、配偶者が1/2、子が1/2の割合で相続する。「子」には養子も含まれる。

 

 

(3)相続人が、配偶者と父母等(第2順位の法定相続人)の場合、配偶者が2/3、直系尊属が1/3の割合で相続する。

 

(4)相続人が、配偶者と兄弟姉妹(第3順位の法定相続人)の場合、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4の割合で相続する。

 

(5)同順位の相続人が複数いる場合には、人数で相続分を均等に分ける。

 

 

このように文字で見てみると、なんだか難しく感じてしまいますよね。ここからは、具体例を使って、法定相続分のルールを確認していきましょう。自分の家族構成では、どのケースに当てはまるかなと考えながら、読み進めていっていただきたいと思います。

 

 

【ケース1】

 

A男さんとB子さんご夫婦には、お子さんがいらっしゃらず、A男さんのご両親も既に他界されています。A男さんが一人っ子の場合、A男さんが遺言を作らずに亡くなると法定相続人は誰になり、法定相続分はどうなるでしょうか?

 

A男さんが亡くなると、A男さんにはお子さんや御両親、兄弟がいらっしゃらないため、配偶者のB子さん1人が法定相続人になります。この場合【法定相続分のルール(1)】によって、B子さんがA男さんのすべての財産を相続することになります。

 

 


【ケース2】

 

C男さんとD子さんご夫婦には、2人のお子さん(E子さんとF男くん)がいらっしゃいます。C男さんのご両親は既に他界されています。C男さんは3人兄弟です。このようなご家庭で、C男さんが遺言を作らずに亡くなった場合、法定相続人は誰になり、法定相続分はどうなるでしょうか?

 

C男さんには、配偶者のD子さんがいらっしゃるので、D子さんは法定相続人となります。その次に、第1順位の法定相続人がいるかを考えてください。このご家庭の場合、C男さんには、E子さんとF男くんという2人のお子さんがいらっしゃいます。そのため、C男さんの法定相続人は、配偶者のD子さんとE子さんとF男くんの3人になります。(C男さんには、ご兄弟がいらっしゃいますが、第1順位の法定相続人の子がいるので、そこで法定相続人が確定します)

 

次に、法定相続分はどうなるでしょうか?この場合は、【法定相続分のルール(2)】に従って、配偶者が1/2、子が1/2の割合で相続することになります。配偶者のD子さんは1/2を相続することになるのです。

 

では、子どものE子さんとF男くんの法定相続分はどのように考えたらよいのでしょうか?E子さんとF男くんは、二人とも第1順位の法定相続人です。そのため、【法定相続分のルール(5)】に従って、2人で1/2の相続分を均等に分けることになります。1/2の相続分を2人で分けるので「1/2÷2人」で一人当たり1/4の相続分となります。E子さんが1/4、F男くんが1/4の相続分を取得します。

 

C男さんが亡くなった場合、D子さんは1/2、E子さんが1/4、F男くんが1/4で相続することになります。相続人の割合を合計すると「1」になります。

 

 

【法定相続分のルール(5)】は、法定相続人が子の場合にも、父母の場合にも、兄弟姉妹の場合にも使われるルールです。まずは【法定相続分のルール(1)~(4)】で、法定相続分を確定させ、その後に相続分を人数で割って計算します。

 

先ほどの例で、C男さんのお子さんが3人いた場合には、配偶者が1/2、子は「1/2÷3人」で一人当たり1/6の相続分となります。

 

 

ちょっと複雑だったでしょうか?頭で考えるだけでなく、図を書きながら数字を書き込んでいくと、整理しながら把握することができますので、是非試してみてくださいね。

 


前回、今回と「自分の法定相続人は誰?」「相続分はどれくらいになるの?」というポイントについて考えてきました。この2点は、自分の相続を考えるに当たって、原点となります。もしも、自分が遺言を作らずに亡くなった場合、誰が相続人になり、どんな割合で相続するのか。このことを確認すると様々な発見があるはずです。

 

・「自分が亡くなったら、妻にすべての財産を遺してあげられると思っていたけれど違っていた」
・「子への相続で、今まで面倒を見てくれた娘に、他の子より多く遺してあげたい」
・「自分が財産を渡したいと思っていた人が、相続人ではないことがわかった」

 

こんな気付きが、遺言の必要性を自分で感じ、遺言書について行動に移すきっかけになります。「遺言がなくても、自分は大丈夫だ。家族も仲が良いし、みんなで話し合って円満に決めてくれるはず・・・」そんなふうに考える方もいらっしゃるでしょう。

 

しかし、残念ながら遺言書が無い状況下において、相続の割合を話しあうことは、容易なことではありません。生存中の負担や、今まで積み重なってきた感情、お金の取り分についての話し合いは、家族内であっても、いや家族だからこそ揉める要素がたくさんあるのです。今日は、このことを知っていただき、もし自分が遺言を作らずに亡くなったら、どうなるのだろうということを、具体的に考えていただきたいと思っています。

 

震災の発生後、自分のもしもの時について考え始める方が増えてきました。死は誰にでも訪れることです。他人事ではなく、自分自身の問題として、考えていく必要がありますよね。今考えて備えることが、将来の家族の笑顔に繋がることを忘れずに、取り組んでいただけたら嬉しいです。


今日も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
 
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